耽美(・唯美・審美)主義、あるいは耽美思潮とは、19世紀後半にフランスを中心に起きた西欧的変容であった。A Glossary of Literary Terms 6th edition. M.H.Abrams. 1993. Harcourt Brace Jovanovich. pp.2-3.
まぁ要するにあれだ。デカダンス。ダンス・イン・ザ・デカダンス・ダンスw
*おぉっと*
デカダンとは単語的に堕落 fall awayを意味するラテン語のdecadereからくるのだけれど、なぜ美を信奉するのに腐ってしまうのかと言うと、社会的な実用性を捨ててしまうからなのである。つまり功利の反対。
1540–50; < MF < ML dēcadentia, equiv. to LL dēcadent- (s. of dēcadēns), prp. of dēcadere to fall away (de- de- +cad(ere) to fall + -ent- -ent ) + -ia n. suffix; see -ence
で、「美のための美」すなわちL'art pour l'art、あるいはart for art's sakeなんて言葉が耽美の号令になってしまったと。カントの『判断力批判』(1790)においては、「純粋に美なる経験」は不快なものに対置するもの、「それ自身で快」であるものに、現実や外的な道徳・効用的判断によらずして至るというのだけれど(読みずれぇな) 。で、文学にところを移すと、フランスのゴティエ『モパン嬢』(1835)が美は使い物にならないとか言ったり、ボードレールから米文学の巨頭ポーに至っては詩そのもののために紡がれる詩 poem written solely for the poem's sakeなんてこと言っちゃってw文学自体のオートポイエーシスというか、文学性を高めることだけに美的感覚がおかれたりしていくわけだ。それが貴族意識的な文学趣味の正典になってしまって、フロベールそのほかはこの動きを「美の宗教」」などと呼んだとか。
英文学における耽美主義の到来はこのフランスの動きを輸入したところから始まるらしく、「それ自身のために美を愛でること the love of art for its own sake 」なんておっしゃったウォルター・ペイター大先生からアルジャーノン・チャールズ・スウィンバーン、オスカー・ワイルド、アーサー・シモンズ、ライオネル・ジョンソンら19世紀末の
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